Skip to content
  1. トップ
  2. 金融キャリア
  3. 証券会社のノルマがきついのは当たり前?元証券営業が語る現場の実態と働くメリット

証券会社のノルマがきついのは当たり前?元証券営業が語る現場の実態と働くメリット
金融業界のキャリアについて考える

module.blog_main_image.alt

証券会社の営業職は、ノルマがきつくて激務だと聞いたことがある人もいるかもしれません。実際に、証券会社の営業職にはノルマが課されるので、人によってプレッシャーと感じられる場合もあります。

一方で、ノルマがあることによって、目標に対するコミットメント力や金融に関する知識を身につけることができるなど、得られるメリットもあります。

今回は、証券会社の元営業職が、本当に証券会社の営業職のノルマは厳しいのか、証券会社の現場の実態と働くメリットについてお伝えしていきます。

≫無料参加:新NISA時代に金融リテール営業が突出した結果を出す方法

証券営業の次のキャリアに興味があるあなたへ

お客様の激動ニーズに応える金融営業を目指すあなたを応援します。

▶無料セミナー:新NISA時代のコンサルティング方法を学ぶ

▶キャリア事例:証券会社からIFAへ転職した事例を読む

証券会社の営業職のノルマがきついと言われている理由

証券会社の営業職はノルマがきついと言われています。実際はどうなのか気になっている人も多いのではないでしょうか。ここでは、証券会社の営業職のノルマがきついと言われる理由を、具体的に見ていきましょう。

達成しなければならない目標金額や目標数値が大きい

達成しなければならない目標数値が、容易に達成できる数字であれば、ノルマがきついと言われることもないでしょう。そもそも会社からノルマとして設定されている目標数値が大きいことが、きついと言われてしまう要因のひとつです。

顧客のニーズを満たす商品を提案していても、目標の数値に到達できないこともあります。かといって、目標を達成するために、高単価の商品ばかり勧めていると、顧客の信頼を失ってしまいます。

顧客のニーズを満たしながら高い目標数値を達成するのは、難しく感じる人も多いでしょう。

数多くのノルマ達成のために多大な時間が必要

証券会社の営業職に課せられるノルマは複数あります。

例えば、国内株式手数料、外国株式手数料、投資信託販売手数料、新規資金導入、口座開設件数、ファンドラップサービス導入、その他募集物の目標などがあります。

そのため、ノルマを達成するためには多大な時間を要します。その上、新規顧客の開拓や金融商品の注文対応、市場調査といった業務もあり、就業時間内に業務が終わらず残業することも非常に多いです。

常に経済や金融に関する知識が必要

証券会社は、さまざまな金融商品を取り扱っています。取り扱う金融商品の正しい情報を理解しておくことはもちろん、論理的にわかりやすく説明しなければいけません。他社と競合している場合は、他社の取扱商品についても理解を深める必要があります。

また、適切な顧客のフォローを行うためにも、常に経済や金融に関する最新の知識が求められます。市場の動向や金融商品の変化に敏感に対応し、的確なアドバイスを提供するためには、継続的な学習と情報収集が欠かせません。

証券会社の営業職に課せられるノルマの例

証券会社のノルマとは

次に、証券会社の営業職に課されるノルマの一部を解説していきます。証券会社の営業職が、それぞれの目標数字達成のために行った事例もあわせてご紹介しますので、参考にしてください。

新規顧客の開拓件数

証券会社に入社すると、まず取り組むことのひとつが新規顧客の開拓です。営業力を身につけることを目的としていることも多いようです。

既存顧客の資産のみでノルマを達成し続けることは難しいため、入社後何年目の社員であっても新規顧客の開拓は行います。毎日必ず新規顧客の開拓の時間をあえて取り、自分で決めた件数の電話営業をする社員もいました。

特定金融商品の販売

ノルマの中には、募集期限が決まっているものもあります。例えば、新発社債や新規公開株、新規設定の投資信託などがその代表例です。

該当の商品を好む顧客がいれば、毎回ご案内していきますが、それだけでは達成できないことが多いです。そのためセールストークを用意して、既存顧客全員にセールスをする社員もいます。

売買手数料

以前、「証券業界は手数料で成り立っている」と言われた時代がありました。当時は顧客の資産を無理矢理売買させ、それを繰り返すことによって手数料収入を積み重ねる人もいたようです。

現在は、コンプライアンス等が厳しくなっているので、悪意のある回転売買は減りつつあるようです。

預かり資産総額

「預かり資産」とは、顧客が証券会社へ預けている資産のことです。また、預かり資産総額とは、自身が担当する顧客の預かり資産の合計のことを指します。

営業は、顧客からいかに多くの資産を新たに導入してもらえたかが問われます。そのため、新規顧客の開拓をしたり、顧客ごとに定期預金の満期や他社契約商品を管理していたりする営業員もいます。

≫無料セミナー:新NISA時代に金融リテール営業が結果を出すコツ

それでも証券会社の営業職で働く5つのメリット

証券会社の営業職は、数字の目標達成に対してプレッシャーを感じることもあり、つらい場面もありますが、もちろん他方で証券会社の営業職として働くメリットもあります。

ここからは、証券会社で働くメリットを見ていきます。

【メリット1】顧客の資産運用の支援ができる

2019年6月に金融庁から公開されたいわゆる「老後2000万円」レポートをきっかけとした老後2000万円問題が話題となっているように、老後資金を不安に感じている顧客は多いです。老後資金のため、教育資金のためなど、投資目標に基づいて、最適な金融商品や戦略を提案することで、顧客のお役に立てる喜びもあるでしょう。

出所:金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」

【メリット2】新しく顧客を開拓できた時に達成感がある

証券会社の営業職として、新規顧客の開拓は大変な仕事のひとつです。訪問活動では門前払い、電話営業ではすぐに電話を切られることは、日常茶飯事です。

しかし大変だからこそ、信頼関係を新たに築けたときには、何ものにも代えがたいやりがいがあります。私自身も、顧客から「あなたになら任せてもいい」と信頼をいただけるようになったときには、大きな達成感がありました。

【メリット3】目標に対するコミットメント力が身につく

証券会社にはさまざまな目標があります。

その目標を達成するためにあらゆる試行錯誤をしていきます。その試行錯誤の結果、目標に対するコミットメント力やPDCAサイクルを上手に回す問題解決力が身につくため、ビジネスパーソンとして大きく成長することができます。

【メリット4】論理的な提案力が身につく

証券会社の営業員として大切なのは、論理的な提案です。

なぜその商品が期待できるのか、なぜ顧客に提案するのかをロジカルに考えます。販売商品は多岐にわたるため、あらゆる商品の提案方法をロジカルに考えるクセが付きます。証券会社の営業職として何年も勤務していると、ある事象に対して瞬時に期待できる商品が頭に浮かんでくるようになります。

【メリット5】金融全般の最新知識が身につく

証券会社は情報が命です。証券市場の変動に即座に対応する必要があるため、日々の情報収集は欠かせません。

それに加えて、取り扱う金融商品の知識や、他社と競合しているようであれば他社の金融商品の知識も必要となります。また、自己研鑽としてCFPや証券アナリストなどの難関資格に取り組む人もいます。

このように、さまざまな金融知識を習得するのが大切なので、数年勤務していると相当な金融知識が身につきます。

≫無料セミナー:トップの金融リテール営業が持つ提案スキルとは

証券会社の営業職の仕事内容とは

そもそも、証券会社の営業職はどのような仕事内容なのでしょうか。個人営業と法人営業に分けて解説していきます。

個人営業(リテール営業)の場合

証券会社の個人営業は、個人の顧客に金融商品を提案します。

提案する商品は金融機関によって多少異なりますが、証券会社の場合は「株式」「債券」「投資信託」が販売商品の主力です。最近は「ファンドラップ」や「仕組債」など、複雑な金融商品・サービスを取り扱うことも多いです。幅広い商品を顧客に購入してもらうことが、証券会社の個人営業の仕事です。

法人営業の場合

証券会社の法人営業は、企業や団体に対して資金調達を提案し、事業成長を支援する仕事です。証券会社の場合は、上場のお手伝いをしたり、公募増資や社債発行によって資金調達を支援したりします。顧客は経営者や役員、財務担当など専門知識が豊富な場合が多いため、個人営業よりも高度な金融知識や高いコミュニケーション能力が求められます。

参考)証券会社で働く営業の年収
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、金融商品取引業・商品先物取引業の平均年収は957万円です。こちらは証券会社営業のみの平均年収ではありませんが、目安として参考にしてください。

出所:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

証券会社の営業職に向いている人が持つ5つの特徴

ノルマがきついと言われることの多い証券会社の営業職ですが、証券会社の営業職に向いている人の特徴をいくつか見ていきましょう。

omp-career-202402-02_ph2

【特徴1】顧客への貢献意識が高い

証券会社の営業職で大切なことは、顧客に信頼してもらうことです。

どんなに良い商品でも、信頼してもらうことで購入につながります。顧客に信頼してもらうためには、まず自身が「顧客の役に立ちたい」と思うことが大切です。

その意識を持つと、顧客に信頼していただくにはどのような行動や気配りをすればいいのかわかるようになります。行動や気配りの積み重ねが、信頼関係を構築するきっかけとなるのです。

【特徴2】目標達成意識の高い

証券会社の目標は多岐にわたります。

毎月の営業日数は限られていますので、どうしたらすべての目標が達成できるかを日々考え、進捗を意識しながら行動し続けることが重要です。

そういった背景から、体育会系の部活に入っていた方は目標達成意識が高いため、証券会社に採用されやすいといった側面もあるようです。

【特徴3】常に努力を惜しまず怠らない

目標を達成するためには、行動し続けることが大切です。

ただし、行動量だけを単純に増やしても成果が出ないときがあります。そのようなときには、行動の質を上げる必要があります。

自己研鑽に取り組んだり、自分の提案方法を見直したり、情報収集をもっと細やかにするなど、試行錯誤が重要です。こうした地道な努力をし続けられる人も、証券会社に向いている人と言えるでしょう。

【特徴4】コミュニケーション能力がある

証券会社の営業職にとっては、コミュニケーション能力も大切です。

なぜなら、証券会社の営業職の仕事は、「対人」の仕事だからです。顧客の信頼を得るには、丁寧なコミュニケーションが必要です。コミュニケーション能力が高い方は、気配りや心配りが細やかなことも多いので、信頼されやすいようです。

【特徴5】経済や金融動向に興味がある人

証券会社は日々経済や金融動向と向き合う仕事です。

そのため、経済や金融に興味が無いと、仕事が楽しくなくなってしまいます。経済や金融に興味のある場合は、日々情報を収集することに面白味を感じるため、知的好奇心を満たせる職場とも言えます。

その知的好奇心によって、さまざまな調査・分析をした結果、ノルマをクリアできることもあります。だからこそ、証券会社の営業職として働くうえで、経済や金融への関心は大切な要素のひとつです。

証券会社での営業経験は転職にもプラスになる

証券会社の営業職として勤務していると、目標達成のためのコミットメント力が身についたり、高いコミュニケーション能力が身につきます。これらの能力は他の業界でも活用できるスキルのため、転職した場合でも活かすことのできるスキルです。

証券会社の営業経験をより活かせるおすすめの転職先は【IFA】

証券会社の営業経験がより活かせる転職先はIFAです。ここからはIFAについてご紹介します。

  • IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)とは

IFAとはIndependent Financial Advisorの略で、「独立系ファイナンシャルアドバイザー」とも呼ばれます。IFAの仕事は、様々な金融商品の中から中立的な立場で顧客に合った商品を提案・アドバイスをすることです。

IFAは特定の金融機関(証券会社、銀行など)に所属していません。したがって所属企業のしがらみがない、独立した立場で顧客のニーズに合った商品を提案することができます。そのため、証券会社のノルマや顧客への無理な提案に疑問を感じている方にはうってつけの職種でしょう。

≫無料セミナー:証券会社出身のIFAだからできる営業提案スキルとは

詳しいIFAの説明は、関連記事を参考にしてください。

 

まとめ

今回は証券会社のノルマの実態と働くメリットについて解説していきました。

証券会社の営業職は達成しなければいけない目標数値が高く、達成のための時間も膨大な時間が必要だという理由から、激務でノルマがきついとも言われています。しかし、顧客の資産運用を支援できるという点では、大きなやりがいがある仕事です。

証券会社での営業経験における、目標達成のためのコミットメント力やコミュニケーション力は、はたらく場所を問わず、活用できることでしょう。証券会社で培ったスキルは、業界を問わず、生かすことができます。自分自身のスキルをより発揮できる場所を選ぶことで、より活躍できる可能性が広がるかもしれません。

参考資料

モニクルフィナンシャルで一緒に働く仲間を募集

「新しい挑戦がしたい。キャリアを広げたい。お客様のためになる仕事がしたい。」それなら、これまでの知識と経験を活かせるスタートアップで私たちと一緒に働いてみませんか?モニクルフィナンシャルでは、ファイナンシャルアドバイザー(FA)を募集しています。20代30代の金融業界出身メンバーが活躍しています。

mf_bnr_recruit

モニクルフィナンシャル採用サイト https://moniclefinancial.co.jp/recruit

モニクルフィナンシャル_泉田良輔

監修
株式会社モニクルフィナンシャル 取締役

泉田 良輔 Ryosuke Izumida

愛媛県出身。慶應義塾大学卒業後、日本生命保険、フィデリティ投信で外国株式や日本株式のポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして勤務。2018年11月に株式会社OneMile Partners(現:モニクルフィナンシャル)を共同設立し、取締役に就任(現任)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。東京工業大学大学院非常勤講師。著書に「銀行はこれからどうなるのか」「Google vs トヨタ」「機関投資家だけが知っている『予想』のいらない株式投資法」他 

記事一覧へ戻る

おすすめ関連記事 Related Articles