保険営業はきつい?新NISA時代にお客様に選ばれた実体験を紹介
新NISAに対応するためIFAとして転職した3人の事例も紹介

日本は生命保険の加入率が高いと指摘されますが、実際の普及率はどのくらいなのでしょうか。
生命保険文化センターの2022年度「生活保障に関する調査」によると、生命保険の加入率は男性77.6%、女性81.5%を占め、普及率の高さがうかがえます。
私たちにとって、なじみ深い金融商品である保険ですが、最近は、少子高齢化や資産運用への関心の高まりなど、保険を取り巻く環境が変化してきています。
保険営業は、個人のライフスタイルや家庭・生活環境に適合する保険商品を紹介・提案する業務です。つみたてNISAにはじまり、2024年にスタートした新しいNISA(新NISA)の登場により、保険と比較すると投資や資産形成への興味や関心の高まりから、保険営業が難しくなっているとの声も聞かれます。
今回は、新NISA時代の今、保険営業は本当にきついのか、選ばれるためのコツはあるのか、保険営業経験者3人の実体験とともに解説していきます。
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新NISA時代に保険営業がきついと感じる理由
顧客の興味関心が新NISAなどの投資に傾いている
2024年1月より新NISAが開始されて以降、資産形成層の投資への興味や関心はこれまで以上に高まっています。
これまでは、資産形成層が初めて接する金融商品は保険であることが多い傾向にありました。そうした環境下では、現状と比較すると保険の必要性はお客様に届けやすかったかもしれません。
一方、新NISA時代の現在は、資産形成や資産運用への興味や関心が資産形成や資産運用に必要な金融商品に傾いているといえるでしょう。結果、保険営業が保険についてお客様に対して直接お伝えしても、お客様から新NISAの話題を聞かれてしまい、どう答えたらよいのかと悩む保険営業も多いようです。
新NISAの話題から運用型保険商品の提案ができない
お客様の新NISAへの興味や関心が強いため、新NISAの話題を避けて通ることはできません。
新NISAの制度について説明をし、長期投資に必要な保障の確保と投資の必要性について気づいていただくことが重要です。その中で、終身保険や変額保険といった運用型保険商品の提案をすることも可能でしょう。
ただ、新NISAにしか関心がないお客様に対して、新NISAの制度内容を十分に理解してもらうところからスタートし、その後に運用型保険を知っていただき、関心を持っていただくのはハードルが高いと考える保険営業も多いのではないでしょうか。
また、お客様の興味や関心を踏まえるにしても、最終的には異なる金融商品の話題を持ち出すことや説明をすることが営業として結果を出すことに時間がかかりすぎるという感想もあります。
こうした経験をした保険営業は、新NISA時代の「保険営業はきつい」と感じるようです。
新NISA時代に保険営業が選ばれるコツ2選
新NISA時代に、顧客の多くの興味関心が資産形成に向いているとはいえ、保険営業が選ばれるためのコツは2点あります。それぞれについて詳しく解説していきます。
【コツ1】保障の重要性を提案に折り込む
保険営業の強みは、保障の大切さを知っていることです。
新NISAの活用目的は、多くのはたらく世代にとってみれば、数十年先の老後に向けた将来資金の準備という人は多いはずです。
長期投資ということになれば、その間に不測の事態が起きるということもあるでしょう。そうしたリスクに備えて、保障と投資のバランスについて話すことができるのも強みと言えるでしょう。
【コツ2】将来の目標をもとにしたライフプランニングができる
保険営業はFP資格やライフプランナー資格を保有していることが多いのではないでしょうか。
ライフプラニング通りに人生が展開されることも多くはないでしょうが、ライフプランに基づいた商品の組み合わせや提案はお客様にとってはかなり魅力的に映るはずです。
投資信託のパフォーマンスは株式市場の状況により大きく変化するため、それだけでは精度の高い提案にはなっていないでしょう。債券やそれらを組み込んだ保険商品などもあわせて提案することでお客様の目的に合った資産形成プランを提案することができます。
証券外務員資格を取得して株式や投資信託といった有価証券へ対応しよう
前述のように、保障と投資のバランスについて話すことができる点が強みですが、有価証券への知識がなければバランスを語ることはできません。そのため、有価証券への知識をつけるために、証券外務員資格を取得することも良いでしょう。
新NISAに対応できるIFAへ~保険営業からIFAとして転職した3人の体験談~
新NISAへの興味関心が高まる中、保険営業だけでなく有価証券にも対応できるようにIFAとしてキャリアチェンジをする人が増えているようです。ここではその3人の体験談についてご紹介していきます。
2020年に顧客のニーズが大きく変化し、IFAへの転身を決意したケース
外資系保険会社や保険代理店での経験を持つ男性Aさんのケースをご紹介します。
Aさんは、2018年から2019年にかけて、つみたてNISAが始まった後、生命保険を活用した資産形成の提案を行っていました。
しかし、2020年に入り、コロナ禍の影響で顧客の資産形成に対する意識が大きく変わりました。つみたてNISAに関する提案が不可欠となったことが、キャリアを変える契機となったそうです。
「金融の知識を体系的に知るプロを目指したい」とIFAに転身したケース
大手外資系生命保険に勤務していた菅原美優さんの事例をご紹介します。
はたらく世代の多くが資産形成に目が向く中で、私自身が金融商品として保険しか扱えないということに限界を感じ、自分でつみたてNISAをはじめてみたり、株に投資をしてみたりと試行錯誤されていました。
保険は重要ですが、保障と投資のバランスを考えた全面的なサポートができるほうがお客様にとってもベストだなと考え、金融のプロを意識し始めたようです。
より詳しい内容は関連記事を参考にしてください。
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「さまざまな金融商品を提案したい」とIFAへの転身を決めたケース
地方銀行へ入行後、大手生命保険会社を2社経験されてきた笹村夏来さんの事例をご紹介します。
お客様からお金にまつわるさまざまなご相談をいただくなかで、自分で対応できる部分が限られていることへもどかしさを感じていました。
「保険商品も投資信託も一緒に扱いたい」と感じ始め、IFAへのキャリアチェンジを意識するようになったとのことでした。
より詳しい内容は関連記事を参考にしてください。
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おわりに
つみたてNISAがはじまり、2024年からは新NISA時代となり、保険営業にとって投資知識は欠かせない環境に移行してきました。
投資知識を得るために資格を取得する、自身で投資商品を購入するなど、どのように対応するか検討している人も多いことでしょう。
保険を扱うだけでなく、金融知識を体系的に把握し、顧客に提案することができる金融のプロを目指したいと考える場合は、IFAへの転身を検討しても良いかもしれません。
IFAについてより詳しく知りたい場合は、関連記事を参考にしてください。
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三石 由佳 Yuka Mitsuishi
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)。中央大学文学部社会学科卒業後、株式会社サイバーエージェントにて大手金融機関向けデジタルマーケティング戦略の立案及び営業を担当。その後、みずほ銀行にて確定拠出年金に関する講師やフィンテック企業にて広報を担当。現在は株式会社モニクルフィナンシャル・コーポレートブランディング室所属。

監修
株式会社モニクルフィナンシャル 取締役
泉田 良輔 Ryosuke Izumida
愛媛県出身。慶應義塾大学卒業後、日本生命保険、フィデリティ投信で外国株式や日本株式のポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして勤務。2018年11月に株式会社OneMile Partners(現:株式会社モニクルフィナンシャル)を共同設立し、取締役に就任(現任)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。東京工業大学大学院非常勤講師。著書に「銀行はこれからどうなるのか」「Google vs トヨタ」「機関投資家だけが知っている『予想』のいらない株式投資法」他