【保険営業のコツ】身内や知人(ベースマーケット・イニシャル)へのアプローチ
身内営業のアポ依頼・初回面談・ニーズヒアリング・保険提案
保険営業を始めると「ベースマーケット」や「イニシャル」と言われる、家族や友人などの身内への営業が必要なことがあります。
身近な存在であれば、話しやすい反面、「嫌われるのではないか」と不安になり、一歩踏み出せないという声も少なくありません。
実は、身内に対するアプローチは、新規のお客様に対するアプローチとは意識すべき点が異なります。
今回は「身内にアプローチするコツ」をステップ毎に分け、紹介していきますので、参考にしてみてください。
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ベースマーケット(イニシャル)へアプローチする流れとは
家族や知人など身内へアプローチを行い保険を契約いただくまでには、どのような流れになるのでしょうか。一般的には以下のような流れとなるでしょう。
- アポイントを依頼
- 初回面談
- ニーズをヒアリング
- 保険商品の提案
それぞれのステップ毎に、意識すべきポイントがあります。次の項目からご紹介していきます。
アプローチのコツ(1)アポイントを依頼
転職をしたことを伝える
アポイントの依頼をする前に、保険業界へ転職したことを伝えましょう。
保険のプロであることを知ってもらうことが目的です。
転職したことを伝えると、相手から保険そのものや保険営業に対する印象や考えを聞くことができます。
単刀直入に要件を伝える
「保険の話を聞いてほしい」や「将来の話について聞かせて欲しい」など、アポイントを取る理由を簡潔に伝えましょう。
その際に相手の顔色をうかがって回りくどい表現になってしまわないように注意することが重要です。
「押し売りするわけじゃないけど」や「嫌だったら別にいいんだけど」との言い回しは、相手に配慮しているように見えて、かえって怪しく、不安にさせてしまいます。
アポイントに応じるメリットを伝える
身内なので「話を聞いてほしい」と伝えるだけでアポイントに応じてくれる人もゼロではないですが、聞く価値があると思ってもらうとより確率は上がるでしょう。
「同じ内容なのに保険料が安くなる人が多い」「自分にあった保険の選び方が分かるようになる」など、アポイントで得られるメリットを伝えましょう。
アプローチのコツ(2)初回面談
アポイントに応じてくれた理由を聞く
具体的な保険の話をする前に、「今回なぜ時間を割いてくれたのか」を聞いてみましょう。
今後の話の組み立てや、提案の余地があるのかを判断する上で重要です。
この質問への反応で、保険への関心度、抱えている課題や疑問点が分かる場合もあります。
保険営業になった理由を伝える
なぜ保険業界で働くことを選択したのか伝えましょう。保険営業マンとして、人として信頼を築くポイントの1つとなります。
伝える際には自分自身と付き合うメリットを簡単に添えましょう。「子どもの教育費や老後のお金をこれから準備していく人の役に立てて、頼られるのが嬉しい」など、相手のライフステージに合わせると、より関心が湧くでしょう。
保険の基礎を説明する
保険のことを「複雑で難しそう」と感じている人が大半です。そこで、基礎を説明することで「思ったより保険はシンプルで、自分で考えて選択するもの」と認識していただきましょう。
医療保険や生命保険、がん保険等の保険の種類や、「定期型」、「終身型」、「養老型」等の仕組みの違い程度で十分です。
自分にとって必要な保障をライフスタイルに合わせた組み合わせで持つことが適切な保険であると伝えましょう。
アプローチのコツ(3)ニーズヒアリング
理想の将来について話してもらう
ここでのヒアリングが今後の提案に大きく影響します。お子さまの進学先や、マイホーム、セカンドライフの過ごし方など相手の理想のライフステージを聞いていきましょう。
理想と現実には少なからずギャップがあります。そのギャップを埋めるために保険があります。理想の人生に向けて準備しておくべきこと、避けておきたいリスクを明確にすることで、どの保険商品を提案すべきか、組み合わせるべき最適な保険プランなどが見えてきます。
既に加入している場合は加入経緯、担当者との関係性を聞く
面談をしている相手が、既に他社で加入しているケースが多いでしょう。加入経緯や担当者との関係性を聞くと「知り合いから勧められてなんとなく」や「何年も連絡を取っていない」との返答が非常に多いです。
現状に不満を持っていなくても、「見直したほうが良いかもしれない」と感じ始めると、面談は進めやすくなります。
具体的な商品説明は避ける
面談を進めていると、「この保険プランだな」と頭に浮かぶときもあると思いますが、なるべく具体的な商品提案は別の日にするほうがいいでしょう。
「最初から用意していた」と思われるだけではなく、「本当に私の話を聞いてくれた上での提案なのか」と不信感を与えてしまう可能性があります。
アプローチのコツ(4)提案
ヒアリングで発見された理想と現実のギャップを再度共有
商品提案に入る前に、これまでの面談の内容を一緒に振り返ることを意識しましょう。相手は保険について初めて聞くことばかりなので、一度ですべて覚えることは難しいものです。
提案の際に「なぜこの提案内容なのか」と疑問を持たれないように、提案前に共有しておきましょう。これまでにヒアリングして出てきた相手の課題について触れておくことが大切です。
提案商品の加入メリットを明確に伝える
商品の仕組みや内容を分かりやすく伝えることは当たり前ですが、それだけでは不十分です。「自分にとって必要」と感じてもらう必要があるので、提案した保険に加入することで得るメリットや、対策できる将来のリスクについて伝えてあげましょう。
これまでの会話に出てきた、相手の想いや価値観が、商品提案に反映されていることを理解してもらうことが重要です。
元保険営業マンに聞く、うまくいかないときに実践したい3つのコツ
ここからは、年収1000万円を稼ぐ元外資系保険営業マンに聞いた、身内営業がうまくいかない時に実践したい3つのコツをご紹介します。
コツ【その1】断られたときのマインドセット
セールスの成約率は平均30%前後と言われています。保険営業も断られることは少なくありません。
特に身内から断られると「嫌われた」「裏切られた」と感じることもあるでしょう。
しかし、その相手は決してあなたの人格を否定しているわけではなく、単に「保険に加入するタイミングではなかった」と割り切って行動に移していきましょう。あなたの話を必要としてくれている人は、他にも多くいます。自信をもって活動しましょう。
コツ【その2】フックトークをいくつか用意しておく
身内の中には、保険の話を切り出しづらい相手もいることでしょう。そのような場合のために、日常会話で自然に保険の話題に触れる「フックトーク」をいくつか準備しておきましょう。
例えば、「保険で月10000円も掛けているお客様がいて、高くて驚いたよ」と話してみます。一概に、月々の保険料10000円が高いとは言えませんが、相手にとっての保険料の相場は分かりません。もしその相手の加入している保険料が同水準であれば、「自分の保険が高いのか」と疑問をもつでしょう。そして目の前にいる「保険のプロ」に相談したくなるかもしれません。
コツ【その3】身内だからこそ大切にしたい想いを伝える
身内へ営業する際、この気持ちを忘れてはいけません。そしてその気持ちを相手にしっかり伝えることが大切です。
身内へ営業する場合の懸念点として、気が許しあえている関係だからこそ真剣に話を聞いてもらえないことがあります。また、真剣には聞いてくれていても「営業されている」と不信感を持つ人もいます。なぜ相手に声をかけたのか、「自分が大切にしたい人」だからという想いを伝えることで、相手の「聞く姿勢」も変わってくるでしょう。
おわりに
身内営業は保険営業のはじめの顧客開拓手段です。ここでつまずいてしまうと、新規開拓もうまくいかないのでは、と疑心暗鬼になってしまう人もいるのではないでしょうか。
身内営業と新規開拓営業とはアプローチ方法が若干異なります。もし身内営業に苦手意識があるなら、身内営業ではなく新規開拓営業に絞るのも1つの方法です。
顧客開拓自体が苦手なのであれば、顧客開拓は会社の別部署が担当するなど、営業自身が実践する必要がない会社もありますので、調べてみてはいかがでしょうか。
保険営業の転職事情がわかる記事2選
保険営業の転職事情がわかる記事をご紹介します。参考にしてください。
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編集者/ライター
三石 由佳 Yuka Mitsuishi
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)。中央大学文学部社会学科卒業後、株式会社サイバーエージェントにて大手金融機関向けデジタルマーケティング戦略の立案及び営業を担当。その後、みずほ銀行にて確定拠出年金に関する講師やフィンテック企業にて広報を担当。くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」にて執筆も担当。
監修
株式会社モニクルフィナンシャル 取締役
泉田 良輔 Ryosuke Izumida
愛媛県出身。慶應義塾大学卒業後、日本生命保険、フィデリティ投信で外国株式や日本株式のポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして勤務。2018年11月に株式会社OneMile Partners(現:株式会社モニクルフィナンシャル)を共同設立し、取締役に就任(現任)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。東京工業大学大学院非常勤講師。著書に「銀行はこれからどうなるのか」「Google vs トヨタ」「機関投資家だけが知っている『予想』のいらない株式投資法」他