「保険営業はやめておけ」と言われる理由8選!転職体験談とその理由も紹介
つみたてNISAがきっかけ?生命保険営業の難易度が上がった3人の体験談

保険営業は所属する保険会社や保険代理店などの福利厚生も比較的しっかりしており、条件面等から魅力的な職種だと思う人もいるかもしれません。
ですが、「保険営業はやめとけ」「保険営業はきつい」と言われることもあります。保険営業はなぜやめとけ、きついと言われるのか、これまで実際に保険営業として働いてきた人はどういった背景で辞めたのか、などについて、3人の体験談をもとに確認していきましょう。
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新NISA時代になって「保険営業はやめとけ」と言われる理由4選
2024年1月に開始された新NISAをきっかけとして、お客様のニーズが保障から投資に傾いている昨今。こうした状況下だからこそ、「保険営業はやめておけ」「保険営業はきつい」と言われてる理由が4つあります。ここではその4点について、ご紹介していきます。
新NISA時代に「保険営業はやめとけ」と言われる理由①従来の保険営業トークでは通用しない
保険の普及率が高い日本では、保険の必要性について伝える機会はあまり多くありませんでした。しかし、最近ではお客様の関心が投資や資産運用に向けられていることから、これまで以上に保険の必要性について理解いただくことが重要となっています。
このような状況では、従来の保険営業のセールストークだけでは十分ではなく、新たな説明方法やアプローチが求められます。2018年にスタートした「つみたてNISA」以降、経験豊富な保険営業であっても、有価証券に関する提案なしでは、課題に直面し、苦戦しているというのが実情です。
新NISA時代に「保険営業はやめとけ」と言われる理由②知人や知り合いの紹介に頼る顧客開拓が困難になっている
多くの保険営業が顧客開拓の手段として主に活用しているのは、知人や知り合い経由の紹介です。しかし、誰もが簡単にさまざまな情報へアクセスできる時代になった今、そうした販売チャネルは壊れつつあります。
元保険営業で管理職を担当されていた方の話では、「紹介による営業がうまくいっていたのは、人とのつながりが残っている地方のエリアで、人とのつながりがそれほど強くない都心となると、苦戦する」とのコメントもありました。
スマホの普及率も上昇し、コロナ禍も経て人とリアルに面会するということが必ずしも日常ではなくなった現在、特にデジタルネイティブ世代のお客様と出会うには、これまでの方法では限界を感じる人が増えているようです。
新NISA時代に「保険営業はやめとけ」と言われる理由③オンライン面談で営業することの難しさ
コロナ禍以降、オンラインでの対応を求められることも増えており、これまでの対面とは異なる空気感にお客様との関係性を深めることの難しさや、コミュニケーションの難しさを指摘する人も多いです。
今後もこの流れは加速するでしょうし、オンラインに対応できない場合は、今後の活動の場も変更が求められることでしょう。
新NISA時代に「保険営業はやめとけ」と言われる理由④金融業界内での他業態との競争が激化している
新NISA時代の今、保険業界は銀行や証券会社といった金融における他業態との競争が激化しています。
保険業界内で見ても、複数の保険会社の保険商品を選択できる保険代理店が身近な存在になったことから、自社の商品しか取り扱うことのできない保険会社の保険営業を取り巻く環境は厳しさを増しています。
さらに、テクノロジーを駆使した保険関連サービスを提供するフィンテック企業も登場しており、お客様の利便性が高まり、従来のリアル店舗を中心とする金融機関を選択する理由が薄れてきていることも見逃せません。
以上、4点ご紹介しましたが、これらの理由で以前より保険を販売しにくい状況になってきており、「保険営業はやめとけ」「保険営業はきつい」と言われるのではないでしょうか。
新NISA時代以前から「保険営業はやめとけ」と言われている理由4選
新NISA時代以前からも、「保険営業はやめとけ」「保険営業はきつい」と言われていました。
それではどのような理由で、きついと感じるのか、ここでは4点ご紹介します。
新NISA以前から「保険営業はやめとけ」と言われる理由①毎月高いノルマを達成しなければいけない
保険営業には、目標やノルマが設定されています。容易には達成することのできない高いノルマが設定されていることも多く、精神的な苦痛と感じて「やめとけ」「きつい」と言う人が絶えないのではないでしょうか。
目標を達成するために、まずは自分自身が持つ人脈やネットワークを洗い出し、家族はもちろんのこと、親族や友人なども活用した結果、人間関係に支障をきたし、精神的な苦痛やストレスを感じるということもあります。
新NISA以前から「保険営業はやめとけ」と言われる理由②保険業法や金融商品取引法などの制約が多い
金融機関であることから、提供できる情報や活動できる範囲に制限があることが面倒と感じる人もいるようです。その結果、お客様開拓のための行動で、特に実感するケースが多いようです。
イベントを自分自身で開催することや、SNSなどを利用して情報提供をすること、所属する会社名を明確にして活動することは禁止されている会社はあり、そうした点も積極的に活動したくてもできないという制約にもなっているようです。
新NISA以前から「保険営業はやめとけ」と言われる理由③収入が安定しない
保険営業の多くは「固定給+歩合」です。業績により歩合の部分は変動することから、毎月の収入が安定せず、そのことで自身の生活の安定をはかれないと悩む人はいるようです。
新NISA以前から「保険営業はやめとけ」と言われる理由④契約しても早期解約の恐れがある
顧客開拓を行い、関係性を築き、商品を理解していただいてようやく契約に至ったとしても、それだけでは安心できません。
保険加入後すぐに解約されてしまうと、ペナルティが課せられてしまいます。そのため、契約後も安心できず、顧客のフォローに追われることもあり、なかなか手離れしないことを面倒だと感じる人もいることでしょう。
新NISA時代以前から、「保険営業はやめとけ」と言われることが多いようですが、新NISA時代になり、より難しいと感じる理由が増えているのもまた事実です。その状況が今後も続くとすれば、今後もより一層、保険営業は難しいかもしれないと感じる人もいるのではないでしょうか。
これらの要素をもとに自分ならどう感じるか、どう対策を立てることができるか、など考えてみても良いかもしれません。
今さら聞けない一般的な保険営業の仕事内容
それでは、保険営業とは一般的にどのような仕事をしているのでしょうか。
個人や家庭・生活環境に適した保険商品を紹介・提案し、契約いただくことが保険営業のプロセスと結果ですが、そのためにどのような業務が発生しているのかを理解したいと思う人もいることでしょう。
厚生労働省が運営する「職業情報提供サイト job tag(日本版O-NET)」の「保険営業(生命保険、損害保険)」を参考に、簡単に仕事内容を見ていきましょう。
はじめに、保険営業が扱う商品とは何でしょうか。
病気や災害、事故に遭遇したときなどに経済的な助けとなるのが保険商品であり、主には生命保険と損害保険(自動車保険、火災保険、地震保険等)があります。
生命保険は保険業法によって人の生死に関して保険金を支払う保険で終身保険、定額保険、養老保険等があります。
一方、損害保険には自動車保険や火災保険、地震保険等があります。
保険営業の仕事の流れを見てみましょう。業務の実施順として紹介されていますが、こちらは会社により、また個人により異なる点も多いでしょう。
保険会社の営業経験で身につくスキル3選
では、保険会社の営業経験で身につくスキルについて見ていきましょう。
保険営業の持つ一般的なスキルは何でしょうか。
ここでは、「職業情報提供サイト job tag(日本版O-NET)」の「保険営業(生命保険、損害保険)」をもとにまとめましたので、参考にしてください。
保険営業が持つ高いレベルのスキル3選
「職業情報提供サイト job tag(日本版O-NET)」には、各職種で必要とされるスキルとして全39スキルが紹介されています。そのうち、保険営業が高いレベルのスキルを持つとされているトップ3を、ここでご紹介します。
1位 傾聴力 話の腰を折らずに、注意深く聞き、要点をおさえ、必要に応じて適切な質問をするスキル
保険営業は、顧客のライフステージに合わせた保障をともに考える必要があります。そのため、今のライフステージや今後起こりうるライフイベント、それに伴うリスクをヒアリングすることが重要です。
また、お客様本人が見落としているリスクにも気づき、提案することが重要です。そうした丁寧さが評価されれば、契約にいたる可能性も上がります。
広く深くお客様の家庭環境などを知ることが、お客様あった提案につながることから、傾聴力は欠かせないでしょう。
2位 説明力 効果的に情報が伝わるように他者に話をするスキル
保険は、保険料や保険金、解約返戻金や満期保険金の違いなど、保険に加入している人でも理解しづらい点もある複雑な金融商品です。
そうした複雑さを、お客様にわかりやすく理解していただくために、お客様の理解度に合わせて伝えることが求められます。
3位 読解力 仕事に関係する文書を読んで理解するスキル
保険のみとはいえ、1つ1つが複雑な商品であることから、会社で取り扱う全商品の詳細な項目まで理解する必要があります。
そのためには、保険のセールス資料だけにとどまらず、保険契約書の詳細まで読み込み、理解する必要があります。
当然ですが、そうした内容を正確にかつ分かりやすくお伝えする必要が求められます。
元保険営業3人が語る「転職してよかった」体験談
保険営業から転職をした3人の事例をご紹介します。保険会社から転職をした男性・女性それぞれ1名ずつ、また保険会社から保険代理店に転職した男性の事例です。
ぜひ参考にしてください。
保険会社から転職した男性の体験談
外資系保険会社や他業界の勤務経験のある浅沼英樹さんの事例をご紹介します。
浅沼さんは、管理職として採用と育成を担当するようになり、保険営業が抱える課題は大きく2点あることに気づきました。1点目が紹介営業に限界があること、もう1点がつみたてNISA・新NISAやiDeCoなしでは話を聞いてくれないことです。
資産運用の総合提案ができる金融プロフェッショナルになりたい、と考えたことが転職のきっかけとなりました。
より詳しい内容は関連記事を参考にしてください。
保険会社から転職した女性の体験談
大手外資系生命保険に勤務していた菅原美優さんの事例をご紹介します。
菅原さんは、はたらく世代の多くが資産形成に目が向く中で、私自身が金融商品として保険しか扱えないということに限界を感じ、自分でつみたてNISAをはじめてみたり、株に投資をしてみたりと試行錯誤していました。
保険は重要ですが、保障と投資のバランスを考えた全面的なサポートができるほうがお客様にとってもベストだなと考え、金融のプロを意識し始めたようです。
より詳しい内容は関連記事を参考にしてください。
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保険会社→保険代理店から転職した男性の体験談
外資系保険会社や保険代理店での経歴のある男性Aさんの事例をご紹介します。
Aさんは、2018年から2019年にかけて、つみたてNISAが始まってしばらくの間、生命保険を利用した資産形成の提案を行っていました。
しかし、転機が訪れました。2020年に入り、コロナ禍の影響でお客様の資産形成への意識が大きく変化したのです。つみたてNISA関する提案が欠かせなくなったことが、キャリアを変えるきっかけとなったそうです。
新NISA時代に保険会社の営業経験者におすすめの転職先は何か
保険商品のみで活動し続けることは難しいと感じ、別のキャリアへの転向を考える人もいるのではないでしょうか。
金融営業としての強みを活かす場合は、金融業界内で検討するとよいでしょう。
これまで述べてきたように、保険営業だけではお客様のニーズに十分に応えることが難しくなってきています。そのため、保険だけでなく、投資に興味を持つお客様に対しても有価証券の提案ができるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の検討が、ますます重要になってきます。
IFAとは証券会社等に所属することなく、自由に金融商品を取り扱うことができる金融のプロフェッショナルです。詳細は関連記事を参考にしてください。
おわりに
新NISA時代に保険営業としてキャリアをスタートするのは、やめとけと言われる理由の合計8選、今回は見ていきました。
保険商品のみを取り扱うことに難しさを感じる場合は、資格を取得することで知識を補完する、もしくは、保険商品だけでなく有価証券も取り扱うことのできるIFAを目指すなどの選択肢があることがわかりました。
IFAへの転職について詳しく知りたい場合は、以下の関連記事を参考にしてください。
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参考資料
IFAの基本がわかる記事6選
IFAの基礎知識がわかる記事をご紹介します。参考にしてください。
保険営業の基本がわかる記事5選
保険営業の基礎知識がわかる記事をご紹介します。参考にしてください。
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三石 由佳 Yuka Mitsuishi
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)。中央大学文学部社会学科卒業後、株式会社サイバーエージェントにて大手金融機関向けデジタルマーケティング戦略の立案及び営業を担当。その後、みずほ銀行にて確定拠出年金に関する講師やフィンテック企業にて広報を担当。現在は株式会社モニクルフィナンシャル・コーポレートブランディング室所属。

監修
株式会社モニクルフィナンシャル 取締役
泉田 良輔 Ryosuke Izumida
愛媛県出身。慶應義塾大学卒業後、日本生命保険、フィデリティ投信で外国株式や日本株式のポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして勤務。2018年11月に株式会社OneMile Partners(現:株式会社モニクルフィナンシャル)を共同設立し、取締役に就任(現任)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。東京工業大学大学院非常勤講師。著書に「銀行はこれからどうなるのか」「Google vs トヨタ」「機関投資家だけが知っている『予想』のいらない株式投資法」他