モニクルフィナンシャル設立ストーリー Part01
原田慎司CEOに聞く
株式会社モニクルフィナンシャルは、「金融の力で、安心を届ける。」をミッションとし、幅広い世代向けに資産形成のサポートや資産運用アドバイスを行っています。中でもお金の診断・相談サービス『マネイロ』は、学び、診断、相談まで一気通貫した資産運用プラットフォームで、40万人以上にサービスを提供しています。(学び・診断・相談サービスの累計利用者数/2026年2月時点)
今回は、モニクルフィナンシャルの原田慎司代表取締役CEOに、モニクルフィナンシャル設立の経緯やビジョンについて話を聞きました。
株式会社モニクルフィナンシャル
代表取締役CEO
原田 慎司 Shinji Harada
山口県出身。一橋大学卒業後、大和総研、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ドイツ証券およびシティグループ証券で証券アナリストおよびM&Aバンカーとして勤務。2013年3月、株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)を共同設立し代表取締役に就任(現在は取締役)。2018年11月に株式会社OneMile Partners(現:株式会社モニクルフィナンシャル)を共同設立し、2020年1月より代表取締役CEOに就任。2021年10月、ナビゲータープラットフォームとOneMile Partnersの親会社として、株式会社モニクルを設立(代表取締役CEO)。
モニクルフィナンシャル設立のきっかけは「投資塾」での気付き
株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)の設立の経緯について教えてください。
モニクルフィナンシャルのルーツは、2013年3月にモニクルフィナンシャルの共同創業者でもある泉田良輔と立ち上げた株式会社モニクルリサーチ(旧:株式会社ナビゲータープラットフォーム)にあります。
モニクルリサーチは現在、はたらく世代向け中心にくらしとお金をテーマにした「LIMO(リーモ)」や「MeChoice(ミーチョイス)」などのメディアを運営していますが、会社設立当初は個人投資家向けサブスク型メディア「Longine(ロンジン)」を運営していました。
Longineでは、個人投資家向けにインターネットメディアを通じて日本株式の推奨銘柄を案内するサービスを提供していました。現在モニクルフィナンシャルの取締役である泉田が編集長となり、大手外資系証券会社や運用会社出身の経験豊富な証券アナリストが中心となって情報提供するというものです。
当時、金融機関出身者がテクノロジー分野で起業するのは非常に珍しく、私たちが会社を設立した際には日本経済新聞やブルームバーグといったメディアで紹介されました。
【日本経済新聞】
アナリスト経験者ら、個人投資家向けリポート 月1050円で配信: 日本経済新聞
【Bloomberg】
体力勝負アナリスト辞めます、元外資マン個人に長期投資指南
2018年には、Longineの購読者向けに勉強会を始め、企業分析やバリュエーション(株価評価)を直接レクチャーしました。勉強会の最終回では、受講者がご自身でピックアップした銘柄の調査結果などを発表したのですが、終了後、受講生の方から「授業の内容は理解できたがまだ自信が持てない。今後もアドバイスしてもらいたい」と言われたのです。
私たちはこの反応を聞いて当惑しました。受講生の方は経営者としての経験も長く、財務諸表なども十分に理解され、バリュエーションも身に付けられています。
一般の方より知識があるにも関わらず、自信が持てなかったのですね。
この方たちが自信が持てないのであれば、お金の知識のない方が投資に向き合うのは相当難しいはず。自分たちは頑張る場所が違っていたのではないかと、強烈に感じました。
資産形成や資産運用の始め方に悩んでいる方々が身近にいることに気づき、「私たちに何か支援できることはないか」と真剣に考えるようになりました。そこで、より多くの方々のお金に関する課題を、直接人がサポートしながら解決していく会社を設立することを決意しました。これこそが、後のモニクルフィナンシャル誕生の原点となったのです。

デジタルとリアルの融合を目指したモニクルフィナンシャルの狙い
そして、2018年11月にモニクルフィナンシャルを設立されたのですね。
そうです。新たに会社を設立するにあたって、大事にしようと思ったことが2つあります。一つは、エンジニアを採用してテクノロジーがけん引するようなビジネスにすること。もう一つは、リアルのロケーションで、人によるサービスを重視しようということです。
当時、社内にはエンジニアがいませんでした。開発リソースを自社で持たないことで経営自体は身軽ではあったものの、メディアの改修などにどうしても時間がかかってしまい、経営のスピード感をなかなか高められないもどかしさが常につきまとっていました。
また、メディアだけではサービスとして深いところまでお客様と関われないため、デジタルの世界だけではなく、リアルの世界にも踏み込んでサービスをすることを大事にすることにしました。
つまり、金融サービスにおけるデジタルとリアルの融合ということでしょうか。
その通りです。この辺りは、泉田が2017年に執筆した書籍「銀行はこれからどうなるのか」でうまく図解されています。我々としてはモバイル型(第1象限)とプライベートバンク型(第2象限)のちょうど重なり合うところを意識していました。

個人向けの金融サービスをしようと思っても、我々のようなベンチャー企業は大手メディアやプラットフォーマーのようにタッチポイントを作れないでしょうし、会社を立ち上げてすぐに大手金融機関のように豊富な人材を確保することも難しいです。
したがって、第1象限と第2象限の「汽水域」を攻めることにしました。それがモニクルフィナンシャルのポジショニングです。
デジタルとリアルの取り組みについて、具体的に教えてください。
モニクルフィナンシャルは、デジタルマーケティングで集客をしています。これは創業時から全く変わっていません。私たちは、コンテンツマーケティングも含めてデジタルマーケティングととらえており、必ずしも広告ばかりが集客ルートではありません。
特に、「マネイロ」のコンテンツマーケティングを通じて、多くのお客様とのタッチポイント獲得に成功しています。
一方で、リアルについてのとらえ方はコロナ禍前後で大きく変わりました。
モニクルフィナンシャルを設立した当初は、実店舗を展開することでお客様の資産形成や資産運用のご相談に応じていました。2019年には東京・丸の内仲通り沿いの国際ビル1階に「丸の内本店/スタジオ」をオープンしています。証券会社や保険会社の関係者もお呼びして、開業イベントを開催しました。また、近くのホテルや商業ビルの会議室でも定期的にマネーセミナーを行っていました。
ところが、2020年に入り新型コロナウイルス感染症の影響によって、従来のように店舗やセミナー会場へお客様にご来場いただき、長時間にわたる面談やセミナーを実施することが難しい状況となりました。
実店舗にお客様をお迎えできたのは、店舗のオープン後数ヵ月間くらいだけでした。2020年2月には横浜港のダイヤモンド・プリンセス号での感染拡大のニュースがあり、4月になると東京都の緊急事態宣言などを受けて、店舗も休業とせざるを得ませんでした。
このように集客やサービスの先が見通せない中、役員で散々議論した結果、リアルセミナーと、店舗で行っていたお客様の面談をオンラインでできるようにしようと決断しました。
社内に優秀なエンジニアがいたため、セミナーも面談もオンライン化が実現でき、数ヵ月でDX(デジタルトランスフォーメーション)を実行したことになります。モニクルフィナンシャルを設立する時の「自社でエンジニアを採用する」という方針が功を奏しました。
新型コロナウイルス感染症拡大によって、店舗やセミナー会場といったリアル・ロケーションは断念せざるを得ませんでしたが、デジタル空間でもリアルで接客を受けているようなユーザー体験を提供できるように、日々現場は改善を続けています。
優秀なエンジニアがサービスの発展を下支え
優秀なエンジニアを採用することは難しかったのではないでしょうか。
現在モニクルのCTOである塚田翔也との出会いが大きかったですね。
前職で別のIT企業でCTOを務めていた塚田が入社してすぐに、彼が信頼するエンジニア2名が入社し、ハイレベルなエンジニアの3人体制になりました。

CTOの塚田さんとはどのように知り合ったのでしょうか。
2017年にモニクルリサーチで、町家をリノベーションし宿泊施設にしている企業との出会いがあり、集客をメディアを通じてできないかという話がありました。当時話題になっていたブロックチェーン技術を使って、世界中のユーザーにリーチして町家を盛り上げたいという話になりました。
その時にプロジェクトをリードしてくれたエンジニアが塚田です。塚田はその後もエンジニアの採用を頑張ってくれました。また、エンジニアだけではなく、デザイナーやプロジェクトマネージャーの採用も積極的に行ってくれて、いまのモニクルの体制ができています。
モニクルフィナンシャル設立後の苦労とは
モニクルフィナンシャルはどのようなメンバーで立ち上げたのでしょうか。
モニクルフィナンシャルは、私と泉田、そして他メンバーの計4名で設立しました。それまでは、モニクルリサーチを設立してから約5年間、大半の株式を私と泉田が保有し、自己資金で会社運営を行っていました。
ただ、モニクルフィナンシャルを設立する際には、これまでのような投資規模では対応できないと判断し、Coral Capital(コーラルキャピタル)、マネックスベンチャーズ、電通国際情報サービス(ISID)などを株主として迎えました。出資者は、私たちの事業にポテンシャルを感じて出資に応じてくれました。
順風満帆の創業だったということでしょうか。
いや、そうではありません。モニクルフィナンシャルを設立して最初の想定外は、金融商品仲介業の登録に想定の二倍の時間がかかったことでしょうか。
モニクルフィナンシャルの設立が2018年11月なのですが、金融商品仲介業の登録が承認されたのは2019年11月でした。登録されるまでに1年もかかり、その間、投資信託や債券の営業が一切できませんでした。
創業メンバーは国内外の大手金融機関出身者が多かったので、数ヵ月もすれば金融商品仲介業の登録は了承されると見込んでいましたが、想定よりかなり時間がかかってしまいました。
金融商品仲介業の登録がされるまでの1年間は何をしていたのでしょうか。
その1年間も幸い保険を取り扱うことはできたので、保険を中心とした資産運用の提案などを行っていました。
また、泉田はマネーセミナー用のコンテンツ作成に時間をかけていました。これから資産形成を始めるお客様にどのように情報を届ければ伝わりやすいかを考え、最初は社内で社員向けにプレゼンテーションを繰り返し行い、修正をしていました。
社内での調整が終わると、役職員の友人・知人に声をかけて実際にホテルの会場にお呼びして、本番さながらのセミナーを実施しました。セミナーに来られるお客様も真剣にメモを取られる方がほとんどだったので、そうしたお客様にどうしたら伝わりやすいか必死に考えていたのだと思います。それが現在のマネイロのオンラインマネーセミナーの原型となっています。
リアルのマネーセミナーの送客はパワーがありました。実際、セミナーに参加された方の7~8割の方が店舗での相談を予約されていましたね。お客様の反応が良い時は相談予約率が100%の時もありました。
ちなみに、現在のマネイロの相談の99%はオンラインで行われています。コロナ禍でお客様の相談のあり方がすっかり変わったなぁという印象です。

いま振り返ると、2019年はどんな年だったのでしょうか。
丸の内本店の開店準備とともに、金融商品仲介業の登録の申請のやり取りなどが忙しかったですね。苦労の末に、11月27日に丸の内本店をオープンすることができましたが、オペレーションの整理やどうすれば効率的に営業ができるのかなどを考えながら年末を迎えた覚えがあります。
当然、その時は翌年に自分たちのビジネスモデルを根底から覆すような出来事が起きるとは、夢にも思わなかったです。
資産運用EXPOのセミナーでは立ち見も
2020年は誰にとっても大変な時期だったかと思いますが、どんな状況だったのでしょうか。
2020年に入ると、年始から中国・武漢での原因不明の肺炎のニュースがありました。当時そのニュースを聞いた時は、国民の生活にここまで影響を与える話になるとは想像していませんでした。
しかし、すぐに異国の異変だけでは済まない状況だということを知ることになりました。1月中旬になると国内で初の感染者が確認され、国内で感染拡大するのは時間の問題だと感じるようになりました。
それと同時に、これまでのインターネット広告等のデジタルマーケティングを通じてリアルのマネーセミナーへ集客するというルートを変更せざるを得ないだろうなと感じ始めていました。
マネーセミナーはお客様にセミナー会場に来ていただいて初めて成立します。感染症に対する恐怖心がある状況では、集客が難しくなるのは目に見えていました。モニクルフィナンシャルのデジタルマーケティングが、ちょうどうまくマッチしてきたなと思っていた矢先でしたから、この流れが崩れてしまうと怖いなと思ったものです。
そのような中、当社は1月23日から25日まで「資産運用EXPO」に初出展しました。資産運用EXPOはさまざまな資産運用に関連する企業が出展し、資産運用に必要な金融商品や資産運用法を紹介する大規模なイベントです。
当時、新型肺炎のニュースも出ていたので、泉田によるプレゼンテーションも中止しようか検討していました。ですが、EXPOの事務局からは「泉田さんのプレゼンテーションへの申込は過去にないレベル」「キャンセル待ちのお客様もいらっしゃる状況」という話があり、最終的には開催を決断しました。
泉田のプレゼンテーションは「失敗しない投資信託の選び方」についてでしたが、当日は数百人の方に集まっていただき、立ち見も出る状況でした。

コンテンツと人の力で投資初心者の資産形成が始まる
新型コロナの影響が出始めてはいたかと思いますが、モニクルフィナンシャルの金融サービス事業を始めての手ごたえはいかがでしたか。
丸の内本店/スタジオで定期的に実施していたマネーセミナーや資産運用EXPOもそうですが、当社が提供する情報を真剣にとらえてくれるお客様が多い印象でした。
泉田は世界有数の運用会社や生命保険会社での勤務経験を持つ、資産運用分野のエキスパートです。彼のプレゼンテーションは、長年証券市場に携わってきた私にとっても新鮮な気づきが多く、非常に印象的でした。
近年では動画配信サービスでもお金に関するコンテンツが増えていますが、中には専門家ではない方が発信しているものや、正確性に欠けて誤解を招く内容も見受けられます。その点、泉田が発信した情報は、資産運用の専門家としての立場からお客様に安心感を提供し、信頼を得られたのだと思います。
また、マネーセミナーに参加していただき、当社のファイナンシャルアドバイザーとの相談を経て、資産形成を始めるお客様が増えてきたことを感じていました。
当時、私も泉田も接客をさせていただいていましたが、資産形成が始まったお客様の多くが「お金のプロに相談できて安心した」「気になっていた資産形成ができてホッとした」というコメントをされていたのが印象に残っています。
投資と保障のバランスを重視するのがモニクルフィナンシャル流アドバイス
ファイナンシャルアドバイザーによる資産形成のサービスは順調に立ち上がったのでしょうか。
当初は全てのファイナンシャルアドバイザーが同じ品質のサービスをご提供できていたかというと、残念ながらそうではありませんでした。資産形成や資産運用には専門的な内容が多く含まれます。特にモニクルフィナンシャルが大事にしている資産形成のコンセプトは「投資と保障のバランス」です。
投資信託や債券をはじめとした有価証券と保険についての知識がないと、このコンセプトをしっかりとお客様にお伝えすることはできません。ただ、このコンセプトにぴったりとあてはまる人材が日本には決して多くはないということが次第に分かってきました。
たとえば、証券会社出身のファイナンシャルアドバイザーであれば、投資信託は詳しいけれど保険は弱い、また保険会社出身者ですと、保険は詳しいけれど投資信託は弱いという方がほとんどです。銀行出身者は幅広く知識はあるのですが、深堀りができていないという傾向がありました。
こうしたこともあり、優秀なファイナンシャルアドバイザーを採用するとともに、採用したファイナンシャルアドバイザーの教育と研修も重要であると意識していました。

次回は、コロナ禍における金融サービスのDXなどについてお聞きしていきます。
よろしくお願いいたします。
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