保険営業に必要な資格とは?元生命保険営業17名の実態や体験談も紹介
新NISA時代に取得したい資格や役に立った資格一覧(難易度別)
保険営業として活動するうえで、必要となる資格にはどのようなものがあるか、気になる人も多いのではないでしょうか。
生命保険の販売に必要不可欠な資格は、「生命保険募集人資格(一般課程)」ですが、その他にも実務を行う上で、いかせる資格もいくつかあります。
この記事では元保険営業17名へのアンケートを通じて、「実務で活かせた資格」や「資格をどのようにいかすことができたか」などを聞くことができました。その結果もあわせてご紹介します。
また、新NISAのスタートでますます投資への興味関心の高まる人々へ対応するために、今保険営業が取得すべき資格についてもご紹介していきます。
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元保険営業17名に聞いた!保険営業の実務で活かせた資格ランキング
元保険営業17名から聞いた、保険営業の実務で活かすことができた資格をランキング形式で紹介していきます。
保険営業の実務で活かせた資格は1位が「ファイナンシャルプランナー」で76.9%、2位が「変額保険販売員資格」で69.2%、3位が「外貨建保険販売員資格」で61.5%の回答結果となっています。
保険営業は、保険以外にも相続や税金など、様々なお金の相談を受けることの多い職種です。そのため、他業種の分野も身につく「ファイナンシャルプランナー」は、お客様の課題解決に活かせるのでしょう。
他にも回答が多かった「変額保険販売員資格」や「外貨建保険販売員資格」は、貯蓄型の保険商品を販売する際の必須資格です。世の中の資産運用への関心が高まる今、貯蓄型保険商品の注目度も高く、欠かせない資格です。
元保険営業17名の体験談「保険営業の実務で活かせた資格」
ここからは、元保険営業が実務で活かすことができた資格について、当事者のエピソードもご紹介してきます。取得すべき資格について悩んでいる人は参考にしてください。
FP(ファイナンシャルプランナー)技能士
- お客様から相談いただく分野は保険に限らないため役に立った
- お客様から他業種の質問をされた時にもある程度基礎的なところはお伝えすることができた
- FPという言葉で名乗る方がお客様の警戒心が薄まり、商談のテーブルについていただきやすい。
- FP資格は相続や税金等の入り口で使える知識もあるので、そのあたりの課題を感じてる見込み顧客に対し、何を質問すればいいかがわかる。
MDRT
- 意外と一般の人からも認知度が高く、信頼いただけた要因になったかと思う
生命保険大学課程
- 大学課程では、特に法人保険の基礎知識や中小企業退職金共済制度など、福利厚生等の周辺知識が身につく。
- 経営者でも理解されていない部分もあり、かつシンプルで理解してもらいやすいので、「しっかりしている」「詳しい人」というイメージを持っていただける。
変額保険販売資格、外貨建保険販売資格
- 個別・具体的な保険の話は本来は有資格者でないとできないことをお伝えすると知らなかったと反応されます。
- 変額保険や外貨建保険をご案内するためには別途資格が必要であることも添えると安心される方もいます。
保険営業に必須の資格は、生命保険募集人(一般課程)
保険営業として活動するうえで、取得必須の資格は生命保険募集人(一般課程)です。生命保険募集人資格について、ここではご紹介していきます。
生命保険募集人 (難易度★☆☆ ※一般課程の場合)
生命保険募集人資格とは、生命保険を販売するために必要な資格です。生命保険募集人資格には全部で下記の4課程と2資格の合計6種類があります。
- 一般課程
- 専門課程
- 応用課程
- 生命保険大学課程
- 変額保険販売資格
- 外貨建保険販売資格
出所:一般社団法人生命保険協会「業界共通教育制度の体系図」
生命保険募集人(代理店)として働くには、「一般課程試験」に合格し、代理店登録や募集人届出をする必要があります。
一般課程試験は、生命保険の基礎知識を修得することを目的としています。合格率は約80%以上といわれており、比較的難易度は低い資格です。
生命保険会社職員社員・代理店職員向けの試験であるため、今後保険営業を目指しているので個人で受験ができないため、注意が必要です。
保険営業が取得すべき資格一覧(難易度別)
必須ではありませんが、今の新NISA時代に保険営業が取得すべき資格は何があるでしょうか。元保険営業が実務でいかすことができる資格ランキングにランクインした資格について、難易度とあわせてご紹介してきます。
実務でいかせた資格ランキング1位
FP(ファイナンシャルプランナー)技能検定(難易度★★☆ ※2級の場合)
IFAは、金融商品だけではなく、金融全般の知識を網羅する必要があります。そのために役立つのが、ファイナンシャルプランニングの資格です。
FP資格では、資産運用・保険などの金融商品の他に、不動産・税金・ライフプランニング・相続など金融全般の専門知識を習得することができます。
FP資格には、国家資格の「1〜3級FP技能士」と民間資格の「AFP・CFP」があります。FP技能士であれば2級以上、民間資格はAFP以上であれば実務に効果的でしょう。
FP技能士には有効期限がないものの、「AFP・CFP」は資格更新と継続教育が必要なため、保有中は定期的なリスキリングが求められます。
合格率は3級で約70%、2級で約50%、1級だと約10%と1級になると一気に難易度が上がります。3級は難易度が低く、2級は中程度、1級は難易度が高いと言えます。
実務でいかせた資格ランキング2位3位
生命保険募集人 変額保険販売資格/外貨建保険販売資格(難易度★☆☆)
保険営業にとって、生命保険募集人の一般課程は取得必須ですが、合格後に受験可能となる各種資格は取得する人の多い資格です。
その中でも、実務でいかせた資格ランキングにもランクインした変額保険販売資格や外貨建保険販売資格は、取得者の多い資格です。
新NISA導入をきっかけとして投資への興味関心が高まる中、同じく貯蓄性商品である変額保険や外貨建保険は関連性が深く、提案する機会が多いことでしょう。そのため、今保険営業として活動するのであれば、需要に応えるためにも取得は避けられないのではないでしょうか。
合格率は約80%以上といわれており、比較的難易度は低い資格です。
新NISA時代の保険営業が取得すべき資格は証券外務員
新NISA時代の今、保険営業が最も取得すべき資格は、証券外務員(一種外務員資格・二種外務員資格)資格なのではないでしょうか。
お客様の投資への興味関心が高まる今、投資と保障のバランスについて話すことができる点は保険営業の最大の強みです。
ただ、有価証券への知識がなければバランスを語ることはできません。自分で新NISAを活用するなど有価証券への投資をすることで、知識を得る保険営業は多いことでしょう。
しかし、お客様が求めているアドバイスは、金融の専門家としてのアドバイスなのではないでしょうか。そのため、金融のプロフェッショナルとして有価証券への知識をつけるために、証券外務員資格を取得することをおすすめします。
証券外務員資格の詳細については、関連記事を参考にしてください。
おわりに
保険営業として活動するためにどのような資格が必要なのかを見てきました。
取得必須の資格は生命保険募集人の一般課程のみですが、実際に営業活動を展開するうえで生きる資格はファイナンシャルプランナー、変額保険販売資格、外貨建保険販売資格の3種類であることがわかりました。
それだけでなく、最近は投資への興味関心が高い顧客層への対応として、有価証券の知識を積むことが必須とされていることは実感している人も多いのではないでしょうか。
そんなことから、証券外務員の資格を取得することで、知識を補完することが、今後保険営業として生き残ることができることなのかもしれません。
これまでの保険営業のスキルではなかなか難しくなってきているからこそ、今だから活きる資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
保険の知識もいかしつつ、有価証券の提案も総合的に提供したいと考えるのであれば、IFAとしてキャリアチェンジすることもおすすめです。
IFAが気になる人はIFAの基礎がわかる5記事も参考にしてください。
【ご参考】IFAの基本がわかる記事5選
IFAの基礎知識がわかる記事をご紹介します。参考にしてください。
参考資料
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三石 由佳 Yuka Mitsuishi
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)。中央大学文学部社会学科卒業後、株式会社サイバーエージェントにて大手金融機関向けデジタルマーケティング戦略の立案及び営業を担当。その後、みずほ銀行にて確定拠出年金に関する講師やフィンテック企業にて広報を担当。現在は株式会社モニクルフィナンシャル・コーポレートブランディング室所属。
監修
株式会社モニクルフィナンシャル 取締役
泉田 良輔 Ryosuke Izumida
愛媛県出身。慶應義塾大学卒業後、日本生命保険、フィデリティ投信で外国株式や日本株式のポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして勤務。2018年11月に株式会社OneMile Partners(現:株式会社モニクルフィナンシャル)を共同設立し、取締役に就任(現任)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。東京工業大学大学院非常勤講師。著書に「銀行はこれからどうなるのか」「Google vs トヨタ」「機関投資家だけが知っている『予想』のいらない株式投資法」他