証券リテール営業からの転職は有利?「辞めてよかった」異業種へ転職した3人の転職事例を紹介
証券会社からの転職で活かせるスキルもご紹介
証券会社のリテール営業職は、一般的に仕事内容がきつい職種だと言われています。一方で、転職ではそのキャリアが有利になると考えている人もいるかもしれません。転職する場合、同業界での転職が有利なのか、それとも異業界でも有利になるのでしょうか。
今回は、証券会社からの転職は有利なのか、また同業界への転職だけでなく異業界への転職についても、具体的な転職エピソードを交えてお伝えしていきます。
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▶キャリア事例:証券会社からIFAへ転職した事例を読む
証券リテール営業経験者が持つスキルは何か
証券リテール営業の持つ一般的なスキルは何でしょうか。厚生労働省職業情報提供サイトjob tag「証券外務員」をもとにまとめましたので、参考にしてください。
証券リテール営業が持つ高いレベルのスキル3選
厚生労働省職業情報提供サイトjob tagには、各職種で必要とされるスキルとして全39スキルが紹介されています。そのうち、証券リテール営業が高いレベルのスキルを持つとされているトップ3を、ここでご紹介します。
1位 説明力 ”効果的に情報が伝わるように他者に話をするスキル”
証券リテール営業は、お客様の資産運用をサポートする上で、金融商品について理解してもらう必要があります。顧客によって理解度は異なるため、それぞれの知識に応じた説明力が磨かれます。
2位 傾聴力 ”話の腰を折らずに、注意深く聞き、要点をおさえ、必要に応じて適切な質問をするスキル”
証券リテール営業は、実際に顧客が何を求めているか、話をじっくり聞き、時には本質を捉えた提案をする力が必要となります。そのため、傾聴力は活動する上で必要不可欠なスキルとも言えます。
3位 読解力 ”仕事に関係する文書を読んで理解するスキル”
証券リテール営業は、幅広い金融商品に関する知識が必要です。そのために、販売用資料や運用報告書等の商品に関する資料の読解力が求められます。1位の説明力の土台となるスキルが、読解力とも言えるでしょう。
上記は、あくまでも一般的な証券リテール営業のスキルです。人により経験は異なりますので、他にも突出したスキルを持つ可能性もあります。一度これまでの業務を棚卸しした上で、自身のスキルを洗い出してみてはいかがでしょうか。
出所:job tag(厚生労働省職業情報提供サイト(日本版O-NET))
証券リテール営業からの転職は有利?評価される3つのポイント
証券リテール営業は転職が有利だと考える人が多いようです。本当に有利だと思われているのか、転職の際に評価される3つのポイントについて見ていきましょう。
【評価ポイント①】新規開拓を行う営業力
証券リテール営業の強みの1つは、新規開拓を行う営業力です。証券リテール営業は自身の顧客を開拓し続けなければならないことが多く、新規開拓を継続することができる営業力は特筆すべき点と言えるでしょう。
【評価ポイント②】コミュニケーション能力
証券リテール営業の仕事は、顧客とのコミュニケーションを通じて金融商品を売買してもらうことです。
「証券リテール営業が持つ高いレベルのスキル3選」でもご紹介したように、「説明力」「傾聴力」に関しては高いレベルのスキルが求められる職種です。そのことから、「説明力」「傾聴力」を含めたコミュニケーション能力の高さを期待されていると考えられます。
【評価ポイント③】目標達成のためのバイタリティ
証券リテール営業は複数の目標を持ち、その達成を意識し日々業務を行います。目標として掲げられる金額や数字の水準が高いことが多く、その高い目標に向けて行動し続けることができることは大きな強みとなります。目標達成のためのバイタリティはどの職種でも求められるスキルであるため、評価されるポイントとも思われます。
証券リテール営業を辞めたいと感じる理由4選
ここまで、証券リテール営業が身につけているスキルや、転職時に評価されるポイントについて見てきました。ここからは証券リテール営業が仕事を辞めたいと感じる理由について、見ていきたいと思います。
辞めたい理由①顧客開拓が苦痛に感じられる
証券リテール営業は、何年目であっても新規の顧客開拓は避けられません。一度も会ったことがない顧客に電話をかけたり、今の顧客に紹介をお願いしたり、イベントに足を運んだりしなくてはなりません。また、こうした手段を使ってようやく接点を持つことができても、口座開設をしていただくまでに時間がかかります。
このプロセスを楽しめる人であればやりがいを感じるかもしれませんが、苦痛に感じる人は転職理由として「顧客開拓の大変さ」を挙げます。
辞めたい理由②営業ノルマがストレスに感じる
達成しなければならない目標金額や目標数字が大きく、数多くのノルマ達成のために多大な時間が必要となることは、証券リテール営業の業務の特徴の1つでもあります。その分スキルが磨かれますが、ストレスだと感じてしまう場合は、転職を検討するきっかけとなります。
辞めたい理由③若手の顧客層を対象にしたい
証券リテール営業の顧客は、運用できる資産の多い年配者になる傾向が強いです。大きな資産を任されることにやりがいを感じる人もいるとは思いますが、資産をこれから作っていこうとするはたらく世代を顧客にしたいと感じて転職を検討する人もいます。
辞めたい理由④全国転勤に対応できない
証券会社勤務の場合、全国の支店等への転勤はどうしても避けられません。せっかく築いたお客様との縁が切れてしまうことを嫌がる人や家庭の事情などで転勤したくないと思う人にとっては、転勤がある働き方が転職理由になることもあります。
証券リテール営業の同業界・異業界への転職成功3事例
それでは、実際に証券リテール営業経験者はどのような業界に転職をするのでしょうか。ここでは3人の証券リテール営業経験者の転職エピソードをご紹介します。異業界への転職事例もありますので参考にしてください。
【転職成功事例①】証券会社から不動産投資会社へ
証券会社から、不動産投資ベンチャーへ転職した佐藤雄基さんのエピソードをご紹介します。
証券リテール営業として慣れてきた頃、外部で活躍する人たちと交流する中で、「ベンチャー企業で自分の力を試してみたい」と感じるようになり、転職を考えはじめたそうです。
その後、スカウト経由で不動産投資のスタートアップに入社。取り扱う商品は、これまで自分が扱ってきた証券から不動産へと変わりました。自分の投資の幅が広がると考えたことが決め手だったと佐藤さんは話しています。
詳しいエピソードは関連記事で確認してください。
【転職成功事例②】証券会社からWeb広告業界へ
次に、証券会社からWeb広告業界へ転職したOさんのエピソードをご紹介します。
証券会社では、商品ありきの営業になっていたことから、「営業としてのスキルが身につかないのでは」と疑問を持ち、営業としての提案力が身につかないと感じたことが転職のきっかけだったそうです。
そこで、お客様のニーズに合わせた提案ができる環境を求め、一度金融業界から離れ、Web広告会社に営業として転職しました。
【転職成功事例③】証券会社からIFA法人へ
最後に、証券会社から、IFA法人へ転職した岡崎泰輔さんのエピソードをご紹介します。
証券会社では突出した成果を出していたようですが、あらためて振り返ったところ仕事に対して、物足りなさも感じていたことがきっかけで転職を考え始めたそうです。
金融業界に限らず、幅広い選択肢の中から転職活動を検討していく中で、IFAとしての働き方に興味を持ち、IFAとして転職されました。
詳しいエピソードは関連記事で確認してください。
おわりに
証券会社でリテール営業を経験した場合、今後のキャリアについて悩む人もいるでしょう。同業界での転職ケースだけでなく、異業界への転職者が最近増えているようです。その後金融業界に戻ってくる人もいるので、こだわらず今後のキャリアについて考えてみてはどうでしょうか。
その中で、証券会社の働き方や環境を変えたいと感じ、これまでの証券営業の強みを活かした転職先を探しているのであれば、IFAも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。詳しくは関連記事を参考にしてください。
参考資料
IFAの基本がわかる記事4選
IFAの基礎知識がわかる記事をご紹介します。参考にしてください。
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編集者/ライター
三石 由佳
監修
株式会社モニクルフィナンシャル 取締役
泉田 良輔 Ryosuke Izumida
愛媛県出身。慶應義塾大学卒業後、日本生命保険、フィデリティ投信で外国株式や日本株式のポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして勤務。2018年11月に株式会社OneMile Partners(現:株式会社モニクルフィナンシャル)を共同設立し、取締役に就任(現任)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。東京工業大学大学院非常勤講師。著書に「銀行はこれからどうなるのか」「Google vs トヨタ」「機関投資家だけが知っている『予想』のいらない株式投資法」他