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保険会社のノルマがきついのは当たり前?元保険営業が語る現場の実態と働くメリット
生命保険営業の転職事情も紹介

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保険会社の営業職は、「ノルマがきつくて激務だ」と聞いたことがある人もいるかもしれません。実際に、保険会社の営業職にはノルマが課されるので、人によってプレッシャーだと感じられる場合もあります。

 一方で、ノルマがあることで、目標に対するコミットメント力などを身につけることができ、メリットもあります。

 今回は、保険会社の元営業マンが、本当に保険会社の営業職のノルマは厳しいのか、保険会社の現場の実態と働くメリットについてお伝えしていきます。

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保険会社の営業職のノルマがきついと言われている理由

保険会社の営業職はノルマがきついと言われています。実際はどうなのか気になっている人も多いのではないでしょうか。ここでは、保険会社の営業職のノルマがきついと言われる理由を、具体的に見ていきましょう。

顧客リストが存在しない

保険営業では会社から顧客リストが渡されることはなく、またルートセールスではないため、自分自身の努力でゼロから新規顧客開拓を続ける必要があります。

顧客開拓方法は個人によって異なりますが、飛び込み訪問や企業へのテレアポ、異業種交流会に参加するなど、ゼロから人脈を作っていく必要があります。もちろん出会う人がすべてお客様になるようなことは決してなく、相当な量の活動が求められます。

幅広い金融に関する知識が必要

お客様の多くは、既に他の保険会社で契約しています。そのため、お客様の意向と商品内容があっているのか、自社の保険商品に切り替えるメリットがあるのかを判断する必要があり、自社の保険についてだけではなく、他社の保険商品の知識も必要です。

また、保険の役割は万が一の保障だけではなく、貯蓄や節税対策、相続対策の観点からも選択肢になるケースがあります。そのため、各分野の幅広い金融知識が求められます。

保険営業は、これらの知識を活用してお客様に最適な保険商品を提案し、信頼を築くことが求められる仕事です。

収入が安定しない、経費が自腹

保険会社の営業職の給与体系は「歩合制」を取っているケースもあります。その場合には、契約件数や販売金額、獲得手数料などの成果で報酬が変動します。成果が上がらなければ給与が数万円になることもあります。

さらにお客様との飲食代や交通費、名刺や備品関係など活動経費がかかることもありますが、それらは全て自己負担となるケースもあります。活動をしなければ成果は上がりませんが、活動の内容においてもコストパフォーマンスを意識する必要があります。

保険会社の営業職に課せられるノルマ例

次に、保険会社の営業職に課されるノルマの一部を解説していきます。会社や契約形態によっても異なりますので詳しくは各会社にお問い合わせください。

契約保険料額

契約保険料額とは、お客様が毎月保険会社へ支払うお金のことです。実際には「年間保険料額(ANPとも呼ばれる)」をノルマに設定している保険会社が多いようです。

例えば「月1万円の保険料の死亡保険」を契約したとします。この契約ではお客様が年間12万円保険料を支払うことになるので、この契約の「年間保険料額」は12万円となります。ノルマの額は保険会社によって異なりますが、この年間保険料額が毎月100万円以上で設定されているケースがよく見られます。

特定商品の販売件数

保険商品は、死亡保険、医療保険、介護保険、変額保険など様々な分野の保障で分かれています。お客様のニーズは多種多様ですので、ニーズに合わせバランスよく提案ができているかという観点から、各商品の販売件数をノルマとして設定しています。

得意な提案や手数料が高い商品に偏りがないよう、お客様本位の活動の評価のために設定されているようです。

契約死亡保障額

死亡保障額とは、契約者が亡くなった場合に保険会社から遺族に支払われる保険金額を指します。契約したすべての死亡保障の合計額が、ノルマとして設定されています。

保険商品の中で死亡保障は世帯ごとの考え方やライフスタイルに依存するため、適正な保障額を決めることが難しいと言われています。それぞれの家庭によって、亡くなった場合の金銭的影響は異なるので、適正な保障額を根拠立ててお客様に納得してもらえているかというような視点から評価項目になっています。

それでも保険会社の営業職で働く5つのメリット

保険会社の営業職は、数字の目標達成に対してプレッシャーを感じることもあり、つらい場面もあります。一方、保険会社の営業職として働くメリットも数多くあります。

ここからは、保険会社で働くメリットを見ていきます。

【メリット1】新規顧客開拓ができたときに達成感がある

ゼロから新規顧客開拓を行い、契約が取れた際には達成感を感じることでしょう。ただ顧客開拓は常に継続しなければならず、一人のお客様とだけ契約できたからといって、保険営業として生きていけません。

そのため、顧客開拓から紹介が出続ける仕組み作りが保険営業にとって重要です。お客様候補と途切れることなく出会える、独自の仕組みを作ることができれば、これ以上ない達成感を感じることができるでしょう。

【メリット2】コンサルティング能力が身につく

保険会社の営業職は歩合制が多いこともあり、他の業界と比較すると特定商品に対しての販売ノルマは強く求められていません。ただし、医療保険というようなカテゴリーごとのノルマはあったりします。

お客様との面談の中で発見した課題や価値観に合わせて商品提案を行います。そのためプレゼンテーション能力というよりは、お客様の課題をヒアリングで発見し共有する、そしてその課題を解決するために最適な商品を提案するといったようなコンサルティング力が身につくようになります。

【メリット3】お客様の人生に寄り添うことができる

保険商品は、お客様が亡くなった時や病気やケガといった「万が一」の際に備えるものです。備えがなければお客様本人やその家族の人生が一瞬で大きく変わってしまいます。お客様の現状や価値観、想いを元に慎重かつ適格に保険商品を提案することで、顧客の人生をより良くするお手伝いができます。

保険会社が保険金を給付するときは、お客様が精神的、また身体的にも大変な時期ですが、お客様からの感謝の言葉を受けて「こんなに深い感謝を伝えられる職種は他にない、ありがとうの重みが違う」と経験した営業員も多いです。

保険会社の営業職には常に大きな責任を伴いますが、その分大きなやりがいを感じられる仕事でもあります。

【メリット4】高収入が期待できる

保険会社の営業職の給与形態は、基本的に歩合制の部分が大きくなっています。つまり自身の契約件数や獲得手数料等の成果が収入に直結します。

自分の実力や努力次第で年収を大幅に増やすことが可能です。このため、高収入を目指したい人や実力を試したい人にとって、保険営業は非常に魅力的な職種と言えます。

【メリット5】保険だけでなく金融全般の知識が身につく

先に述べたように、保険商品は資産運用、相続、税金対策、贈与などの課題の解決策にもなります。当然そういった提案をするうえで各分野の知識をもっておかなければなりませんので、必然と知識は身に付きます。

昨今、保険会社は営業員にFP資格の取得を求めるところが増えてきています。そういった背景もあり、「保険」の枠を越えて「お金」の相談を受けることが非常に多くあり、そのような立ち位置が求められています。社内で各金融分野の研修や勉強会が基本的に行われているので幅広い知識が身につくでしょう。

保険会社の営業職の仕事内容とは

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保険営業の仕事は、一般家庭や会社を訪問し、個人のライフスタイルや家庭環境に適した保険商品を提案することです。病気や不時の災害、事故に遭遇したときなどに経済的な助けとなるのが保険商品であり、死亡保険、医療保険、がん保険等を取り扱います。また、ライフスタイルに合わせた貯蓄型保険などの紹介も行います。

保険商品には、生命保険と損害保険(自動車保険、火災保険、地震保険など)があり、販売チャネルとしては保険会社の直販、代理店、保険ブローカーがあります。

生命保険

長期契約(例えば、10年、20年、終身)の金融商品で、契約した際の契約内容の応じて、保険金額が支払われます。主にセールスを受けて契約します。

損害保険

短期契約(通常1年)で、事故や災害で発生した損害分だけが補償されます。自動車保険は自動車購入とセットで加入することが多いですが、都度契約の見直しが簡単です。

出所:厚生労働省「職業情報提供サイト job tag(日本版O-NET)」

保険会社の営業職に向いている人3選

ノルマがきついと言われることの多い保険会社の営業職ですが、保険会社の営業職に向いている人の特徴をいくつか見ていきましょう。

向いている特徴(1)全てのプロセスにおいて決定権を持ちたい人

外資系保険業界では、営業先の「リスト」や「担当地域」が存在しないため、ゼロから開拓していく必要があります。自身で集客や提案、契約後も生涯のパートナーとして保全活動を継続していくことも求められます。

どのプロセスにおいても会社からのサポートがないことから、逆に考えると自身で全てを設計して構築していくことができます。その結果、オリジナルの保険営業スタイルを築く人もいるでしょう。

そのため、自分で決定権を持ってハンドリングできることに魅力を感じる人が、保険営業に向いているのではないでしょうか。

向いている特徴(2)保障の必要性を心から信じている人

保険を契約するお客様の大半は、当初は「保険はいらない」と考えているようです。保険に対してネガティブな印象を持つ人に、正しい事実や根拠だけを淡々と説明しても、話を聞いていただくことはできません。

保障の必要性を信じている保険営業であれば、その思いや背景をあわせて伝えることができるため、お客様の心を動かすことができることでしょう。

向いている特徴(3)常日頃人の役に立ちたいと感じている人

自身で集客するからこそ、お客様は、シングルマザー、プロスポーツ選手、経営者など、世代や職業も様々です。異なる価値観に触れる機会が多く、人として学ぶ機会が多数存在します。

人との繋がりが深くなればなるほど、「この人の役に立ちたい」と思うものではないでしょうか。

保険契約に直接関係ないことでも、役に立つことであれば、と情報提供していくのも良いでしょう。

その行動が信頼構築に繋がり、適切なタイミングでその相手から保険見直しを相談いただいたり、お客様を紹介いただくなど、最終的な契約につながることもあります。

保険会社での営業経験は転職にもプラスになる

新しいNISA(以下新NISA)導入により、お客様の資産運用ニーズが高まったことで、保障のみを提案する職種である保険営業は提案が困難になっていると言います。

生き残りをかけて試行錯誤する人もいれば、転職を決意する人も増えています。

保険営業の転職先としては異業種も増えてきていると言いますが、最近増えてきているのはIFAとして転職する事例です。

IFAは、独立系ファイナンシャルアドバイザーとも呼ばれて、金融機関に所属することがないため、保険も有価証券も取り扱うことができる点が特徴です。

詳しくは関連記事を参考にしてください。

 

まとめ

今回は保険会社のノルマの実態と働くメリットについて解説していきました。

保険会社の営業職は達成しなければいけない目標数値が高く、達成するためにゼロからの顧客開拓や幅広い金融知識が必要だという理由から、激務でノルマがきついとも言われています。しかし、お客様の人生に寄り添い、人生をより良くするお手伝いができるという点では、大きなやりがいがある仕事です。

保険会社での営業経験における、ゼロから人脈を作る経験やコンサルティング力は、保険業界に限らず、活かすことができるでしょう。自分自身のスキルをより発揮できる場所を選ぶことで、より活躍できる可能性が広がるかもしれません。

参考資料

IFAの基本がわかる記事6選

IFAの基礎知識がわかる記事をご紹介します。参考にしてください。

保険営業の基本がわかる記事5選

保険営業の基礎知識がわかる記事をご紹介します。参考にしてください。

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三石 由佳 Yuka Mitsuishi

2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)。中央大学文学部社会学科卒業後、株式会社サイバーエージェントにて大手金融機関向けデジタルマーケティング戦略の立案及び営業を担当。その後、みずほ銀行にて確定拠出年金に関する講師やフィンテック企業にて広報を担当。現在は株式会社モニクルフィナンシャル・コーポレートブランディング室所属。

モニクルフィナンシャル_泉田良輔

監修
株式会社モニクルフィナンシャル 取締役

泉田 良輔 Ryosuke Izumida

愛媛県出身。慶應義塾大学卒業後、日本生命保険、フィデリティ投信で外国株式や日本株式のポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして勤務。2018年11月に株式会社OneMile Partners(現:株式会社モニクルフィナンシャル)を共同設立し、取締役に就任(現任)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。東京工業大学大学院非常勤講師。著書に「銀行はこれからどうなるのか」「Google vs トヨタ」「機関投資家だけが知っている『予想』のいらない株式投資法」他 

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